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訪問して下さった皆さん、本当に有り難うございます。 このブログは、わたくし、花人街道が何気に思ったこと、感じたことなどを気ままに綴っています。 読んだ感想などを寄せていただけると、とても嬉しいです。

男の匂い [思い出]


好きな曲です。 この曲を聴くと思います。あの日の友は夢を追いかけて走り続けているだろうか?と・・・。

皆様、こんばんわ。
今日の福岡は快晴に恵まれて日中の気温が28℃前後まで上がりました。
いや~、暑かったです。
暑いのは嫌いでは無いのですが、やっぱり暑かったです。(^^;)


人生には色々な出来事がありますが、花人街道にはかつてこんな出来事がありました。
それは今から20数年前、ある雪の日の出来事でした。
真っ白な雪の中で自分の無力さを徹底的に思い知らされて、もうダメだと心から諦めかけた、忘れもしないあの日の出来事です。

花人街道は地元北九州の高校を卒業してすぐに千葉県は成田市に上京しました。実家が貧しかった為、新聞販売店に住み込み仕事をしながら学校に通うためでした。
もちろん、実家を離れるのも初めてならば、仕事をするのも初めてです。
成田南部サービスセンター、店に配属されて1週間、僕にとっては何もかもが初めての経験の連続でした。
先輩に就いて店の仕事を覚え、配達の順路を覚え、そしてとうとうその日がやってきたのです。

初めて一人で配達に出た日、成田は大雪に見舞われました。
千葉在住の方はご存じかと思いますが、成田盆地の冬の冷え込みは厳しく、その時既に3月でしたが夜半から降り出した雪はどんどん激しさを増し、膝上まで積もる大雪になったのでした。


午前2時起床、配送トラックの到着と共に紙分け作業(新聞を各区域ごとに分けて一枚一枚にチラシを組み込んでいく作業です)開始、午前3時、完全防寒で配達開始。
配達部数370部前後、僕の担当区域は、完配まで晴天の日でも2.5時間はゆうにかかるコースでした。

その当時の僕は、雪の日にバイクに乗ったことも無い駆け出しの甘ちゃん、だったんですね。
100Mも進まないうちに滑ってはバイクを倒し、起こしては又滑って倒す、その繰り返しで配達どころではありませんでした。
新聞配達の経験がある方には解ってもらえるかと思いますが新聞を登載したバイクの重量は大変なもので、芯から冷え込んでいる外気の中で僕は汗ビッショリになって、積もっている雪を食べて咽の渇きを癒していました。
そうこうしているうちに夜は白みはじめ、やがて完全に朝になり通りに人もちらほらと現れるようになりました。

午前9時、配達開始から6時間、まだ半分も配達し終わっていませんでした。
僕は体力も気力も使い果たし、放心していました。
こんな事でこの先やっていけるんだろうか。
諦めて、九州に逃げ帰ろうか、そんな考えも心を過ぎったと思います。
自分の無力さが悔しくて、情けなくて、でもどうしようもなくて、あの時初めて「もうダメだ」だと、心の底から思ったのです。

その時に駆けつけてくれたのが、僕を指導してくれた吉永先輩でした。
先輩は半べそ状態の僕に渇を入れ、自分が先導するからそのわだちの跡を付いてくるよう指示したのです。
吉永先輩、いつも着古したジャージを着て、配達の時は汚れた手ぬぐいをマフラー代わりに首に巻いていました。
あえて書きますが、決して大柄でもなく、男前でもなく、普段ははっきり言って存在感の薄いひとでした。
その先輩が来てくれたのです。
先輩自身も自分の区域をいつもの倍以上の時間をかけて配達した後、まだ店に戻ってこない半人前の僕の為に、疲れた体をおして駆けつけてくれたのでした。
その時の先輩の背中がどんなにか頼もしかったことか、僕はそこに男の匂いを感じたのです。

午後1時、配達開始から10時間。
配達終了。


あれから20数年、世の中も、人の価値観も随分変わったと思います。
巷には、流行のファッションを上手に着こなし、サラサラの清潔な髪に、女性のような美しい肌をしたイケメンと呼ばれる若い人達が溢れています。
僕から見てもカッコイイと思う若い人達の背中に、しかし、男の匂いを感じることは、決して無いのです。
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コメント 5

kaoru

おはようございます。
雪の中って歩くだけでも大変なのに
バイクで新聞配達って想像を絶する
過酷さなのでしょうね。
先輩の背中の頼もしさと男の匂いは
分かる気がします。
お仕事をされつつお勉強もとご家族のことを
思って頑張って来られて素晴らしいですね。
だから花人街道さんは、素敵で人を惹き付ける
魅力を持たれていらっしゃるのですね。
by kaoru (2009-06-03 07:32) 

花人街道

kaoru様

こんばんわ。
いつも有り難うございます。
いえいえ、そんな立派なものではなくて、ただ夢中で走り続けた2年間でした。
今では、良い思い出ですね。
by 花人街道 (2009-06-03 20:09) 

fumilin

↑ 私の画面には、お茶屋さんが2人いる!

「ゆず」のあのハーモニーがどうも苦手でまともに聞けないのです。
「コブクロ」は聞けるのですが・・・。
ごめんなさい。変な音感のどこかに触れるみたいです。


by fumilin (2009-06-04 00:00) 

花人街道

fumilin様

お早うございます。
そうなんです。
お茶屋さん、二人いるんです。(^-^)

fumilinさんは平井堅さんのあの語りかけるような優しい声にグッとくるタイプなんですよね。(^-^)

by 花人街道 (2009-06-04 05:36) 

fumilin

不思議ですね・・・まだ、お茶屋さんが二人。

平井堅は母が好きだったからですよ~。
私には、絶対音感があって、
どうも「ゆず」のハモリが受け付けないんです。
どっか、ずれてるのかな・・・と思うのですが、
ちゃんと聞くときっと気分が悪くなってしまうので、
申し訳ないんだけど、聞けないから解明できずなのです。


by fumilin (2009-06-06 01:28) 

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